小さな死神たち



※幼児化注意





<6>

 行きたくねぇなぁ、と一護は重い溜息をついた。
 視線の先には最後の最後まで後回しにしていた4人組がいる。つまり、市丸・藍染・吉良・松本の4人だ。
 喧騒の殆どはこいつらが原因である。松本は懸命に市丸を止めようとしていて、その市丸は嫌がる吉良を引きずりながら平死神を苛めている。無邪気な笑みを浮かべ無害そうに見える藍染は実を言うと市丸に効果的な手助けをしてやってるようだ。
 「ちょっと!いい加減止めなさいよギン!」
 「は、離してください・・・。」
 「だってお乱。こいつめっちゃ弱いんやもん。イヅルもやればええのに。」
 「あはは、楽しいねぇ。」
 (うっわ、マジ近寄りたくねぇ。)
 しかしそう思っても奴らの世話を任されたという事実は変わらない。それに名前も知らない平死神が助けを求める目でこちらを見ているのも無視できないし。
 覚悟を決める。
 一護は腹をくくると市丸の傍まで一気に近寄り、思いっきりその頭を拳骨でぶん殴った。
 「いったぁ!」
 大声を上げて市丸が殴られた頭を押さえる。その間に引きずられていたイヅルを抱き上げ、ついでに平死神にとっとと逃げろと目で合図する。
 松本と藍染は突然の出来事にきょとんとしていた。
 「〜〜〜っ!何すんねん!」
 「大丈夫か?イヅル。」
 「人の話を聞きぃや!そこのオレンジ頭!!」
 市丸の言葉は無視だ。普段人の言動を聞かず自分勝手なことをしているんだから、これくらいの報復は許されるだろう。
 涙目になっているイヅルの頭を撫でてから、一護はイヅルを未だ呆けている松本へと預けた。
 「松本さ・・・松本。悪いけど向こうの部屋までイヅルを連れて行ってくれるか?残りの二人は俺が連れて行くから、先に何か好きなものでも飲んでいてくれ。」
 子どもに敬称をつけるのも変な気がして、名前を言いなおす。それにちょっと不思議そうな顔をしたが、松本は大人しく一護の言葉に従ってくれた。市丸の暴走を止めてくれそうな人がようやく現れて、安心したのかもしれない。
 松本がイヅルを連れて行くのを見届けてから、一護は市丸と藍染へと向き直った。気が重いなぁ、などと思いつつ。
 「さ、て。ギン、藍染。お前らも大人しく向こうの部屋に行ってもらおうか。」
 「はっ、誰がお前なんかの言葉に従うか!」
 「というかさっきのって幼児虐待にあたるんじゃないですか?」
 市丸はともかく、藍染の言葉に一護は引き攣った笑みを浮かべる。全く余計なことばっかり覚えやがって、とぱっと見優等生じみた風貌の藍染を睨んだ。
 「ほぉ〜?じゃあ子どもだったら大人に乱暴ふるってもいいってか?」
 「嫌だなぁ。さっきのなら、ただの無邪気な遊びですよ。大人気ないですね。」
 うっわこいつむかつく。
 (いやいやいや、相手は子どもだ子ども。)
 ぴきぴきと血管が切れそうになる音を聞きながら一護は自分に言い聞かせた。ここで負けたらだめだ。
 藍染と睨みあっているうちにいつの間にか市丸が視界から消えていた。慌てて探すとドアの外へと脱出しようとする姿を発見する。
 「てっめ、ギン・・・!」
 一護は慌てて瞬歩で市丸の背後へ移動し、その身体を担ぎ上げた。こんなもの外へ出させたら、何をしでかすかわからない。
 「はーなーせー!ようじぎゃくたい!!」
 「お前意味もわからずに言ってるだろ!とにかく大人しくしてろっつの!!」
 他の奴はいい子ばっかりなのに、何でこいつらはこんなに聞き分けがないんだ!と思いつつ市丸を担いだまま藍染のところへと向かう。
 このバタバタと暴れる子狐一匹捕まえとくだけでも一苦労だ。これから藍染をどうやって向こうへ連れて行こうかと考えているとき。
 「・・・あれ?」
 藍染は、先ほどにらみ合っていたときと豹変して、キラキラと目を輝かせて一護を見ていた。
 「お、おい。藍染?」
 「すごい・・・。さっきのどうやったんですか?」
 「さっきの?ああ、もしかして瞬歩のことか?」
 「しゅんぽ?」
 はてなマークを浮かべる藍染に簡単ながらも瞬歩の説明をしてやる。担がれたままの市丸はぎゃあぎゃあと文句を言い続けていたが二人とも敢えて無視しておいた。
 「それ僕もできるようになりたいです。教えてください。」
 「・・・お前が大人しく言うこと聞いてたらな。」
 「交換条件ですか。・・・仕方ないですね、いいでしょう。」
 言い方は若干腹が立つが、もの(?)で釣られるのが子どもらしい。まあ根は悪い子どもではないのだろう、と思うことにし、一護は右手で市丸を担ぎ左手は藍染と手を繋いだまま、他の子どもたちが待つ別室へと向かった。







<7>

 皆が待つ別室へと入ると、まず死神たちから尊敬の眼差しで迎えられた。
 「す、凄いです、黒崎さん!あっという間にあの騒ぎを収めるなんて!」
 「さすが黒崎殿!!」
 「一生ついていきます!!」
 放っておけば万歳三唱でもしかねない大人たちを諌めてから、子供になった隊長・副隊長たちの座るところまで向かう。低くおおきな円形の座卓を囲むようにして、それぞれお菓子を摘んでいた。どうやらこちらは大人しくしていたらしい。
 一護が近づくとすぐに雛森がそれに気付き、笑顔を浮かべて駆け寄ってきた。
 「黒崎さん!」
 「お、雛森。元気になったな。」
 抱きついてくるのを受け止めながら(と言っても両手がふさがっているので何もできないが)、一護も座卓の周りに座る。問題児の二人は何かあったらすぐ止められるように、己の両側に座らせた。雛森はじゃれ付いていたので、そのまま自分の膝の上に座らせる。
 ようやく身体が自由になると同時にすかさず市丸が文句を言おうとしたのだが、花太郎が飲み物と菓子を前に置いたら大人しくなった。喉は渇いていたらしい。
 「あのね、皆で黒崎さんが来るの待ってたんだよ?」
 「いい子にしてたみてーだな。」
 「うん!」
 どうも小さい雛森を見ると妹の遊子を思い出す。そのせいか妙にほのぼのとした気分で会話を弾ませていると、着物の袖をくいくいと引っ張られた。
 「?」
 「・・・黒崎さん。コチラの部屋に僕たちを集めてどうしたいんですか?」
 さっきまで上機嫌だった藍染が不機嫌そうな顔に戻っている。何があったんだこいつ、と思いながらも回りに座る子どもたち全員が一護の方を見ていることに気付き、慌てて我に返った。
 ・・・心なしか皆不機嫌そうなのは、気のせいだろうか。
 「ああ、悪い悪い。」
 若干雰囲気に飲まれながらも、一護は気を取り直して全員を見回した。この小さな死神たちの世話は少なくとも今日一日は続く。まだ気を抜いている場合ではない。
 子どもの姿とは言え、末は隊長・副隊長になる力を有した死神たちなのだから。
 「・・・じゃ、とりあえず話をするか。」
 一護は不敵な笑顔を浮かべ、今日という日を乗り切るために口を開いた。







<8>

 「さっきも何人かには話したんだが、今日一日お前らの世話を任されてる黒崎一護、だ。んでもってここは死神たちが暮らす瀞霊廷の中。お前らは訳あって今日一日ここで過ごしてもらうことになっている。何をして過ごそうが基本的にお前たちの自由。だけど、2つ、注意しておく!」
 びし!と音が出そうなほどの勢いで指を突き立てて、一護は語気を荒くする。未だ死神未然の子どもたちなのだから、精一杯遊ばせてやりたかったが、どうしても言っておかねばならないことがあった。
 「1つ!出来る限りこの部屋と、さっきまでいたあの大広間で遊ぶこと!それ以外で遊びたいなら絶対に俺に許可を取れ!ちゃんと言ってくれればできる限りのことはするから!それからもう一つ!いいか?人様に迷惑だけはかけるな!死神の皆さんたちは死ぬほど忙しい!相手なら俺が思いっきりしてやるから、とにかく邪魔になるようなことだけはしてくれるな!・・・いいな、ギン!」
 「名指しやん!?」
 「お前が一番心配だからだよ!!ともかく、全員この2点だけは守ること!わかったな!」
 確認するように全員を頷けば、一護の勢いに押されてか大体の子どもはこっくりと頷いてくれた。―――市丸は不満そうであったが。
 唇を尖らせて、机の上に頭を乗せる市丸に苦笑して、一護はその頭を撫でる。
 「拗ねんなって。そこさえ守ってくれるんだったら目いっぱい遊んでやるからよ。」
 「・・・ホンマ?」
 「ああ。」
 子どもの体力についていけるか不安だが、一護も覚悟を決めた。明日筋肉痛と疲労で動けなくなろうが何だろうが、今日はとことん子守に燃え尽きてやろうじゃないか。
 とりあえず言いたいことは言ったと、一護は一つためいきをついた。
 「・・・あ、そうだ。お前らから俺に聞きたいことはあるか?」
 子どもたちはお互いに探るように顔を見合わせた後、藍染がすっと手を挙げる。
 何、と視線で促せば、にこやかな笑顔を浮かべて藍染が口を開いた。
 「さっきから気になってたんですけど。一護さんが僕らのこと名前で呼んだり名字で呼んだりするのは何故ですか?」
 「へ?」
 予想外の質問だ。
 「何か区別っていうか差別されてるみたいで嫌なんですよね。」
 何故、と言われても癖というかそれが当たり前だったからなのだが。どうやら目の前の子どもは、それが大層不満らしい。
 ・・・まぁ、子育ては平等に、というし。
 「・・・全員名前で呼べってことか?」
 そう問えば、質問者の藍染だけではなく、何故か他の子どもたちからも満足げに頷かれた。
 何なんだ、一体。
 「・・・わかった。」
 一護の言葉によって、とりあえず話し合いはお開きになった。

 さぁ、これからは楽しい遊びの時間。







<9>

 遊ぶぞ!とばかり一斉に大部屋の方へ向かった子どもたちを見送りながら、一護は話の間ずっと後ろに控えていた死神たちを呼んだ。
 数にして15、6人。9名の子どもの世話を任せるにしては、大人数である。まぁ相手が相手であるから、仕方のないことだったのだろう。
 いまだ尊敬と期待の眼差しで見つめられるのはどうにも居心地が悪かったが、あの子どもたちの世話をやるのだから大人の側もある程度取り決めをしておかなければならない。
 「えーっと・・・とりあえず、主に面倒を見るのが、俺の他にあと2人でいいだろう。一人約3人ずつ見るってことで。あとの奴らは・・・そうだな、何かあったときの為に2人くらいここに残って、他の奴らは職務に戻ってもらってかまわない。あっちも大変だろうし。」
 誰か立候補する奴はいるか、と問えば、すぐさま2人手が挙がった。花太郎と、あともう一人は小柄で顔に刺青を入れた理吉という死神である。
 花太郎は顔なじみだからよくわかっているが、理吉は初めて見る顔だ。顔に入った刺青が恋次を髣髴とさせるな、と思っていると、どうやら彼は六番隊に所属し、恋次を上司として慕っており、刺青もその延長線上とのことだった。
 それならば、尊敬する上司を含む彼らを必死に面倒見てくれるだろうと思い、一護は彼らに世話を任せることにした。
 あとの2人は適当に選定し、他の死神を帰らせる。5人であの9名の子どもの面倒を見るのはきついかもしれないが、どうにかこの人数で一日を乗り切るつもりだ。
 「大変だと思うけど、よろしく頼むな。花太郎、理吉。」
 「僕で力になれるかどうかわからないですけど・・・サポートくらいはできるように頑張ります。」
 「皆でやれば、何とかなりますよ!」
 3人で励ましあいながら、大人たちも子どもたちが待つ大部屋へと向かった。







<10>

 一番初めに休憩を取り、一護たちの様子を見に来たのは、剣八であった。
 腕っ節に自信のある死神ばかりが集まった十一番隊の隊長である剣八も、戦いは何よりも好むがその分デスクワークは吐き気がするほど嫌いだ。
 だから普段の仕事でさえどうしても自分が見なくてはならないものだけを最低限チェックするだけに留めているのに、この騒動の所為で他の隊の仕事まで回されそんなことを言っていられなくなった。
 したくない仕事を続けていればストレスもたまる。常の状態でも周囲を怯えさせる霊圧が段々危険度を増してきたことに気付いた隊員たちが早々に剣八に休憩を取らせることにした。
 気分転換してきてください、と言われて剣八が向かったのは、この騒動の中心となっている子どもたち(この言い方には限りなく違和感を覚えるのだが)と、その世話を押し付けられた俄か死神の子ども(こちらは正しい)のところである。
 気分転換と言われているのだから酒を飲みにいくなり虚を斬りにいくなり好きにすればいいのだが、折角一護が瀞霊廷に来ているからには手合わせをしたい。この騒ぎで手合わせは無理でも、あの気の強い子どもと関わることは剣八の楽しみになりつつある。
 子どもになったとはいえアイツ等の世話はさぞかし大変だろう、と扉の中を覗いてみると。
 「・・・何やってるんだ、テメェ。」
 「あ、剣八!暇ならこれ剥がすの手伝え!!」
 目の錯覚でなければ、一護から3人の子どもがぶら下がっている。多分市丸と恋次と、それから日番谷だ。
 右腕と左腕にぶらさがってるのはともかく、首に腕をかけてぶら下がられるのはさぞかし苦しいことだろう。
 剣八は大きく溜息をついて言われたとおりに次々と子どもを掴んで剥がした。将来の姿を知っているから容赦はしない。ぽいぽいと猫の子のように投げ捨てられ、3人が憤慨する。
 「何すんねん、おっさん!」
 「投げんな馬鹿!!」
 「・・・変な髪形。」
 相手は子どもだ。見かけで言えばやちると同じ位やそれよりも少し大きいくらいの。そんな子どもなのだが、なまじ成長した後の姿も性格も知っている分腹立たしさも倍増した。
 「・・・いい度胸じゃねえかクソガキども・・・!」
 斬魄刀の柄に手をかける。だがそれよりも膨れ上がった凶悪な霊圧のほうに子どもたちは怯えたらしく、安心できる場所、つまりは一護の背後へと逃げ込んだ。
 「あ〜・・・、よしよし。このおっさん顔も怖いし霊圧も凶暴だし性格も容赦ねぇけど怖くないからな。」
 「お前も喧嘩売ってんのか、一護。喜んで買うぜ?」
 「絶対嫌だ。いいからその霊圧どうにかしろって。こんなんでも子どもなんだから怯えてんだろが。」
 剣八は溜息をついて少しだけ霊圧を緩めた。元々抑えるという配慮をしたことがないため微々たる変化だったが、流石行く末は隊長・副隊長なだけあって、子どもたちは一護の後ろに隠れるのをやめる。
 ただ剣八への敵対心は強まったらしく、一護を守るようにして剣八との間に立ちふさがった。
 斜め下から突き刺してくる複数の視線が痛い。
 腹立たしさはあったがとりあえず子どものことは無視することに決めた。どうやら一護には懐いているようだし(一護に"だけ"な気がするが)一護も難なく子守をやり遂げているようだ。ならば己がその件について関わる必要はない。
 「そういや剣八は何でここにいるんだ?」
 「休憩中だ。あのまま書類の山になんか埋もれてたら発狂するぜ・・・。」
 「どーせ追い出されたんだろ。アンタ機嫌悪くなるとマジで霊圧こえーし。」
 「うるせぇよ。お前こそ・・・ッ!!」
 ガッ、と鈍い音がすると同時に剣八は言葉をなくし前かがみになった。何事かと一護も下を向くと、細い足が二本、剣八に向かって伸びている。
 精々怖がらせないように無視していたのだが、それがまずかったらしい。剣八が子どもたちを無視して一護との会話に興じれば興じるほど、子どもたちは面白くなかったのだろう。市丸と恋次は腹いせとばかりに、剣八の足、しかもよりにもよって弁慶の部分を思いっきり蹴り飛ばしたようだ。
 「こんのクソガキども・・・!」
 「こ、こら!ギン!恋次!!」
 流石にこれはフォローできねぇぞ!と焦る一護の様子を感じ取ったのか、二人はすぐにその場から逃げ出した。姿が見えなくなったことで諦めもついたのか、剣八も後を追う気はなさそうである。
 だが、先程よりも格段に恐ろしい殺気はそのままだ。
 「えーと・・・。ごめん、剣八。アイツ等には後でちゃんと言っておくから・・・。」
 だから殺傷沙汰はやめてほしいと思う一護の願いも虚しく。
 「元に戻った時に決着をつけてやらぁ・・・。」
 舌なめずりせんばかりに宣言した剣八の言葉は聞かなかったことにした。子どものときに手を出されるのではなく大人になった後のことならば関知はしない。というか、できない。
 しかし市丸は剣八に張り合うことができるだろうが、副隊長である恋次の未来が心配だ。
 (あいつやられキャラだしなぁ・・・。)
 ふ、と遠い目をした一護の裾を何かがくいくいと引っ張る。つられて視線を移すと、市丸と恋次の悪ふざけ(では済まないのだが)に乗らなかった日番谷が大きな目でじっと一護を見つめていた。
 「どうした?冬獅郎。」
 身長差が激しいので見下ろすのも見上げるのも一苦労だと思い、小さな身体を抱き上げる。冬獅郎も心得たように、一護の首に両腕を回した。
 「冬獅郎?」
 「・・・遊びは?」
 首を傾げて訊ねてくる幼い仕草に一護は破顔する。そういえば剣八がくるまでは、皆で何の遊びをするかで揉めているところだったのだ。
 「悪い悪い。そうだったな。」
 詫びの意味も兼ねて日番谷の頭を撫でると、一護は剣八に向き直った。
 「じゃ、悪いけど俺こいつらと遊ばないといけねーから。アンタもとっとと仕事にもどれよ、剣八。」
 「・・・おう。」
 まだ休憩時間は残っていたし一護と話したい気持ちはあったが、そう言われれば退くしかない。この騒動の中では落ち着いて話をできないのも、仕方のないことだろう。
 あっさりと踵を返す一護に抱きかかえられたまま、日番谷が肩越しに剣八を見る。
 「・・・!」
 気のせいでなければ、日番谷は勝ち誇ったように笑みを浮かべ、剣八に舌を出してみせた。
 隠していたのに日番谷を抱き上げた一護の姿に密かに嫉妬したことをあの子どもは気付いていたのだろう。いや、それとも子ども自身がそうなるように仕向けたのか。
 「何にせよ絶対後でぶち殺してやる・・・!」
 不穏な言葉を吐いて、剣八はその場を去った。
 程無くして、休憩を取る前以上に荒れた様子で帰ってきた隊長の姿に、十一番隊の隊員たちは今日という日が平穏に過ごせることはないと悟ったという。



11〜15話へ続く







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